私が新卒で営業を始めた約20年ほど前はテレアポでの顧客開拓が当たり前でした。
私より以前の世代はタウンページを片手に上から順にテレアポしていくような世代でした。
私くらいの世代からはインターネットで検索してホームページをリスト化し、テレアポしていくのが主流でしたし、その手法は今も変わりません。
しかし、昨今はテレアポでの新規開拓は難しい側面もあります。
テレアポの問題点
無駄な時間やコストがかかる。
テレアポには無駄な時間、コストがかかります。
まず、テレアポするためにはテレアポをするためのリストの作成が必要です。
しかし、リストを作成するにも時間がかかります。どういったリストを作成するかにもよりますが、作業が遅い人だと1時間に10件~20件、作業が早い人でも1時間に30件程度ではないでしょうか?
まる1日テレアポをして、1時間に10件~15件電話をするとしたら、8時間稼働だと約100件ほどのリストが必要になります。
100件のリストを作成しようとすると、それだけで5時間ほどかかる計算になります。
そのため、まず、リストを作成するというところから時間がかかります。
リスト作成の時間を削減するためにリスト業者からリストを買うという手法も考えられます。
しかし、リスト業者からリストを購入する場合、今度はコストがかかります。
リスト購入のコストを会社が承認してくれれば良いですが、そうでない場合は自腹で購入することになります。
テレアポ先の相手からクレームを受ける。
テレアポは基本的には自社の商材を必要としてない段階の人にこちらから一方的に電話をする形になります。
法人相手の場合、相手は業務中になりますので、業務の手を止めて電話に出てもらう形になります。
そこで営業の電話だとわかるとクレームを受けることも多々あります。
迷惑電話サイトに悪評を書かれる。
テレアポのクレームを電話口で受けるだけであればその場で終わりますが、昨今はインターネット上に迷惑電話の口コミを書かれるサイトが複数存在します。
そういったサイトの悪評を書かれることで会社の評判を毀損してしまう可能性もあります。
ストレスが溜まりやすい。
クレームを受ける、またはクレームを受けなくても嫌な反応をされることが多いため、精神的にストレスを感じることが多くなります。
それでも毎日何時間もテレアポをする必要があるため、ストレスがどんどん溜まり、中には精神的な病気になってしまう方もいらっしゃいます。
テレアポにはこういった問題点があります。
今やるべき営業手法
テレアポは時代遅れの営業手法になりつつあり、一方で、今やるべき営業手法にはインバウンドマーケティング、SNSマーケティングなどがあります。
インバウンドマーケティング
インバウンドマーケティングとは、広告やSEO対策などを行い、見込み顧客に自社のサイトに訪れてもらい、自らお問い合わせをしてもらうマーケティング手法になります。
テレアポ=アウトバウンドマーケティングと異なり、見込み顧客が必要だと思って問い合わせをしてきているため、営業効率が良く、受注率、成約単価、共に良くなる傾向があります。
SNSマーケティング
TwitterやFacebook、Instagram、TikTokなどのSNSを活用して問い合わせを獲得していく手法です。
それぞれのSNSによってユーザー層や利用シーンが異なるため、自社の商材やサービスの特性に合わせて利用するSNSを選択する必要があります。
リファラルマーケティング
リファラルマーケティングとは、自社の商材やサービスを利用した方に新たな見込み顧客を紹介してもらうマーケティング手法になります。
商材やサービスの満足度が高いことが前提になりますが、それだけだと紹介はしてもらえません。
紹介をしてもらうための動機付けやきっかけ作りが必要になります。
テレアポから脱却する方法
テレアポから脱却するにはいくつかのステップがあります。
事業責任者がテレアポから脱却するという強い意志を持つ。
これまでの新規顧客開拓をテレアポをメインで行っていた会社にとって、テレアポ以外での顧客開拓方法を確立するのには時間がかかります。
そのため、確立するまでに待ちきれずに「やはりテレアポが良い」とテレアポに舵を切ってしまうことが多々あります。
テレアポ以外の顧客開拓手法を確立するためには何年かかっても必ずやり遂げるという、事業責任者の強い意志が必要になります。
担当者を明確に決める。
事業責任者が強い意志を持ったとしても、事業責任者が日々のオペレーションを行うわけにはいきません。
実際の作業を進められる担当者が必要になりますが、他の業務と兼任させてしまうと徐々に優先順位が下がってしまって結局テレアポ以外の方法を確立できないままになります。
担当者を明確に定め、責任を持たせて業務にあたらせることが必要です。
テレアポ以外で開拓する場合の見込み顧客を明確にする。
テレアポの場合、こちらからプッシュでアプローチをするため、どういった属性に対してもアプローチすることができます。
しかし、テレアポ以外で集客をする場合には、見込み顧客側にアクションをしてもらう必要があります。
そうした場合、見込み顧客がどういったニーズがあり、どういったアクションをする属性なのかを明確にし、そのニーズ・アクションに合わせて対策を立てる必要があります。
時代遅れのテレアポを脱却し、新たな顧客獲得ができるようにしましょう。
